歴史推理じゃなかった・・・
古代史ファンにとって「金印」といえば、九州・志賀島で発見された「漢委奴国王」の金印。そして、魏志倭人伝で、卑弥呼の使者に下賜されたという記述はあるものの未だ発見されていない「親魏倭王」の金印。この金印が発見されれば、その場所が邪馬台国の位置とほぼ断定できる。
という事柄を前提に書かれた推理小説です。でも、「歴史」推理小説じゃありませんでした(落胆。肩すかしにあったかんじ?)。
いろんな遺跡・遺物が発見されたら、地層や14C-放射線同位元素による年代測定で、おおまかな時代を推定できるわけですが、「漢委奴国王」金印の場合、じつは年代推定できてません。発見されたのが江戸時代ですから(科学的考古学はまだ確立されてません)。それに金の塊にたぶん14Cは含まれてませんから。・・・というわけで、「漢委奴国王」金印には贋作(ねつ造)説があるんですってね(知らなかった)。
その贋作(ねつ造)説をもとに、「親魏倭王」の金印が発見されたらどんな騒ぎが起こるだろう?というシミュレーションが本書。
以下ネタバレなので・・・
![]() | 十津川警部二つの「金印」の謎?長編推理小説 (ノン・ノベル (833)) 西村 京太郎 (2007/09) 祥伝社 この商品の詳細を見る |
ご想像の通り(?)「親魏倭王」の金印は、正真正銘のニセものです。謎の財団法人アドベンチャー・ジャパンが、一山あてるために考えついた大芝居。偽物を本物ぽくみせるために、?弥呼の時代のほかの遺物とともに発見できるよう工作したり、研究家のお墨つきをもらおうとしたり、といった過程で、殺人事件が起こるわけです(推理小説だもん)。
最後のページの犯人のすてゼリフが、今の日本のありようを象徴しているようでちょっとコワイ。
- [2007/09/16 14:09]
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